預託証券
【よたくしょうけん】

Depositary Receipt

信託銀行等の預託銀行が、海外企業が本国で発行した株式の預託を受けて、別個の証券として発行する代替証券の一種をいう。各国において株式に関する規制や制度が異なり、海外における上場が難しい場合や、資金調達を容易に行いたい場合などに、株式をそのまま上場するのではなく、現地の銀行や信託銀行などに株式を預託し、その株式の権利を表した証券を発行して、それを海外の証券取引所に上場することにより、海外市場において株式を取引の対象とすることができる。
ニューヨーク証券取引所（NYSE）やNASDAQで取引されている米国預託証券（ADR）が有名であるが、他にも欧州預託証券（EDR）やドイツ無記名証券（GBC）、ロンドン証券取引所で売買されるグローバル預託証券（GDR）、香港のHKDR、シンガポールのSDR、台湾のTDR等がある。日本においても、アジア諸国など海外企業の上場減少の傾向をふまえて、外国企業の上場の促進を図るために、2007年に東京証券取引所において日本型預託証券（JDR）制度が導入された。JDRの1号案件として、インドの自動車メーカーの1つであるタタ自動車がJDRによる上場を果たしている。

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日経BP社 「日経ビジネス　経済・経営用語辞典」 JLogosID : 8517503