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直接原価計算
【ちょくせつげんかけいさん】


Direct Cost Accounting

製品原価変動費のみで算定し、固定費は期間費用として処理する方法である。直接原価計算では、売上から製品原価変動費)を控除したものを貢献利益とよび、貢献利益から固定費を控除したものが営業利益となる。貢献利益によって固定費を回収した後は営業利益を獲得できるという考え方で、全部原価計算による営業利益の算定結果と異なることになる。全部原価計算制度においては期末製品原価固定費が含まれる。このため製品を大量に製造すると、製品1個あたりの固定費負担額が減少し1個あたり製品原価が減少することになり、同じ販売数量でも生産量が異なれば利益が異なる結果となる。この場合、売れない製品でも大量に製造することで固定費を次期以降に繰り延べることが可能となり、適切な原価計算を害するという考えがある。この問題点を解決する方法として直接原価計算が考えられた。直接原価計算によると固定費は期間費用となるため、生産量が異なっていても販売量が同じなら同額の利益が算定されることになる。ただし、現行制度上は全部原価計算が採用されているため、財務報告目的で直接原価計算をそのまま採用することはできず、全部原価計算を実施した結果と同じになるよう調整しなければならない。




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日経BP社
「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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