経済経営用語 会計(Accounting) 13 CVP分析【しーぶいぴーぶんせき】 Cost Volume Profit Analysis 直接原価計算を用いた分析手法。企業活動で発生する費用を変動費と固定費とに分解し、固定費を一定とした短期的な利益計画を策定するために利用される。売上高から変動費を控除した限界利益が重視される。すなわち、限界利益は売上高に比例して増加するため、変動費+固定費=売上高となる損益分岐点を上回る売上を達成すれば利益を計上することとなり、利益が増加する。このとき、固定費と変動費をどのように分解するかが重要となる。勘定項目ごとに固定費と変動費とに分解することが可能であれば、この方法によることが望ましいが実務的には困難であるため、高低点法、スキャッターグラフ法、最小二乗法を用いて固定費と変動費に分解する方法が一般的である。高低点法は、操業度と原価が異なる2つのデータをとり、不変部分と変動部分をそれぞれ固定費と変動費とする方法である。スキャッターグラフ法は、数種類の操業度と原価をグラフ上にプロットし、平均的な直線を描くことで固定費と変動費率を算定する方法である。最小二乗法は、数種類の操業度と原価から統計学を基礎として近似する固定費と変動費率を算定する方法である。固定費と変動費を分解したのちに、企業活動の分析、見直しを行い、コスト削減と売上高拡大を目的として利益を拡大する方法を検討することになる。なお、この分析から、売上高と損益分岐点との差額を算定する安全余裕分析も可能となる。 (c)2009 A&A partners/TMI Associates/ Booz&Company(Japan)Inc./ Meiji Yasuda Insurance Company 日経BP社「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」JLogosID : 8518085