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クロスライセンス
【くろすらいせんす】


Cross License

技術に権利を有する複数の者が、それぞれの保有する権利について、相互(クロス)にライセンスすることをいう。特許等を保有するそれぞれの権利者がクロスライセンス、つまり相互に実施権を許諾することで、当事者間の契約上の権利関係の制約が減少し、リスクを低減させるとともに開発効率を向上させることで製品を製造しやすくなるというメリットがある。また、市場を独占している企業が存在する場合に、他社が当該独占企業とクロスライセンスを結ぶことで独占市場に参入することが可能となり、独占市場に風穴を開けるという効果も期待できる。ただし、公正取引委員会は、平成19年9月28日に公表した「知的財産の利用に関する独占禁止法の指針」という技術取引に関するガイドラインがクロスライセンス契約についても適用され、また独占禁止法上の不当な取引制限の規制対象にもなることを示している。そこで、クロスライセンスを結ぶ際には、一定の取引分野における競争が実質的に制限されるような場合、独占禁止法上違法となる可能性があることにも留意が必要である。




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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