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自己信託
【じこしんたく】


Declaration of Trust

委託者が自ら受託者となる信託であり、一定の目的に従い自己の有する一定の財産の管理・処分等を自ら行う旨の意思表示を公正証書等の書面等によって行うものをいう(信託法第3条第3号)。旧信託法では、自己信託に関する明文の規定がなく、これを認めない考え方が一般的であったが、平成18年に行われた信託法の全面改正によって、委託者が自ら受託者となることが許容された。なお、自己信託は、講学上「信託宣言」と呼ばれることもある。自己信託には、&wc1;資産の流動化による資金調達への利用、&wc2;特定の事業部門からの収益を引き当てにした資金調達への利用、&wc3;障害者の親が子供の経済的なサポートをするための利用などのニーズがあり、民事・商事を問わず、多様な可能性を秘めているといわれている。一方で、執行免脱・財産隠匿を防止するための措置が信託法上講じられていたが(信託法第23条第2項、同法第166条など)、自己信託の濫用に対する懸念から自己信託の開始は猶予され、新信託法施行日の1年後にあたる平成20年9月30日から自己信託が解禁されている。なお、信託受益権を50名以上の者が取得することができる場合には、信託業法の規制の対象となり、自己信託をしようとする者は、信託業の登録を受けなければならない。




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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