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フェアユース
【ふぇあゆーす】


Fair Use

アメリカでの判例の蓄積を基にして、アメリカ合衆国著作権法第107条において明文化された法理論であり、批評、解説、ニュース報道、教授、研究または調査等を目的とする著作物の利用は著作権の侵害にならないとされ、当該著作物の利用が著作権侵害性を阻却されるか否かを判断する際に、&wc1;著作物利用の目的・性格、&wc2;利用された著作物の性格、&wc3;利用された著作物全体に占める利用された部分の量や実質的な比重、&wc4;利用された著作物の潜在的な市場や価値に与える利用の影響等の事情を総合的に勘案して、個別に判断するという法理論をいう。アメリカにおいては、引用、パロディ、写真等への写り込み、検索エンジンによる画像のサムネイル表示等、著作物のさまざまな利用形態において適用されうる。日本の著作権法には規定されていない。また、休刊または廃刊になった雑誌の最終号の表紙、休廃刊に際して書かれた挨拶文・イラスト等を複製した書籍の、複製された挨拶文等に関する複製権の侵害が問題となった事案では、実体法の根拠がないままフェアユースの法理を適用することが正当であるという事情はないとして、フェアユースの法理を解釈論として採用しなかった(ラストメッセージin最終号事件、東京地判平成7年12月18日)。最近の裁判例では、フェアユースの法理を適用ないし類推適用すべき場合があることを示唆するもの(学習教材事件、東京地判平成16年5月28日)もあるが、その適用範囲は明確とはいえない。もっとも、近時、著作権法を改正して日本版フェアユース規定を創設すべきという議論もあり、立法化される可能性がある。




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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