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GOREF
【じーおーあーるいーえふ】


GOREF/German Open-ended Real Estate Funds

ドイツ・オープンエンド型不動産ファンド。German Open-ended Real Estate Fundsの略称。
1959年に第1号のファンドが登場してから50年の歴史を持ち、2008年時点で運用資産の総額は880億ユーロ(約14兆円)に達していると言われており、ドイツにおける代表的な不動産投資スキームになっている。ドイツにGOREFが根付いた理由は、大きなものとしては、ドイツ投資法の制限の下で厳格かつ保守的な運用が行われてきたことが挙げられる。また、運用者の多くは大手金融機関の関連であり、金融機関への監督を通じて運用者の暴走を起こりにくくしていたという面もある。さらに特徴的なのは、GOREFは、個人向けと機関投資家向けのファンドを分けていて、個人向けのファンドが特に充実している。これが、ファンドの安定性を高めている。オープンエンド・ファンドでも、任意の払い戻しを認めている以上、金融・経済情勢が不安になると、どうしても解約・払い戻しが増加する。手元流動性がなくなって解約に対応できなくなると、GOREFでは最大2年間払い戻しを凍結することができるが、過去において償還停止になったパニック事例は数えるほどしかなく、それも機関投資家向けのファンドであったという。個人投資家は、「損切りルールによる売却」などという行動に走ることは少なく、長期的に投資を続けようとする。つまり、GOREFは個人投資家に支えられていることによって、比較的安定した運用を続けてきたといえる。2009年の金融危機発生後も積極的に投資を続けるファンドが見られた。しかし、一方で中規模以下のファンドの中には、大量の換金売りに直面し償還停止を余儀なくされるファンドも出て、明暗を分ける形となっている。ドイツ連邦政府は、資金流出に対する管理を強めるため、規制強化の動きを見せている。




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「プロフェッショナル用語辞典 不動産ビジネス」
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