不動産ビジネス辞典 投資戦略とエクイティ資金 17 IRR【あいあーるあーる】 IRR/Internal Rate of Return 内部収益率。Internal Rate of Returnの略称。投資額に対する収益率を表す。ある不動産への投資期間中に期待されるキャッシュフローと、その不動産に投資するために必要な資金の額から、投資採算性を計算するときに用いる。投資家の期待利回りと比較してこの数字が高ければ、投資を実行する、ということになる。全額エクイティで投資する場合のIRRとは、その投資額と、DCF法を使って求められる投資対象不動産の評価額を等しくする割引率のことである。算定例対象不動産:投資額 1,900万~2,100万円とする5年目に2,000万円で売却することを想定1年目のキャッシュフロー 90万円2年目~4年目のキャッシュフロー 100万円5年目のキャッシュフロー 100万円+売却によるキャッシュフロー2,000万円割引率:rとする1年目のキャッシュフロー90万円の現在価値 →90万円×1/(1+r)=①2年目のキャッシュフロー100万円の現在価値→100万円×1/(1+r)^2=②3年目のキャッシュフロー100万円の現在価値→100万円×1/(1+r)^3=③4年目のキャッシュフロー100万円の現在価値→100万円×1/(1+r)^4=④5年目のキャッシュフロー100万円+2,000万円の現在価値→2,100万円×1/(1+r)^5=⑤将来キャッシュフローの現在価値の総和(①+②+③+④+⑤)=投資額となるような割引率rが、その投資額に対するIRRである。これを数式で示すと以下のようになる。例えば、投資額が1,900万円の場合、IRR=6.08%投資額が2,000万円の場合、IRR=4.89%投資額が2,100万円の場合、IRR=3.78%となる。IRRの算定は複雑な計算になるが、Excelなどを活用すると簡単に算定できる。なお、借り入れを組み合わせてレバレッジをかける場合には、上記計算で初年度の投資額をエクイティの出資額に置き換え、各年度のキャッシュフローはエクイティ配当額に置き換えることで、レバレッジ後IRRを求めることができる。 (c)2011 Mitsubishi UFJ Trust and Banking Corporation 日経BP社「プロフェッショナル用語辞典 不動産ビジネス」JLogosID : 8524008