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PML
【ぴーえむえる】


PML/Probable Maximum Loss

Probable Maximum Lossの略称。地震による予想最大損失率を示す。デュー・デリジェンスの一環として、建物の地震損害リスクを把握する目的で使われる指標。過去の地震及び被害データに基づいて統計処理を行い、対象不動産の位置、地盤特性及び建物の構造耐震指標などのデータを入力することにより算出される。BELCA(建築設備維持保全推進協会)が2001年にとりまとめたガイドラインでは、PMLの算定に用いる最大級の地震として「475年に1回の頻度で発生が予想される大きさの地震」と定義されている。これは東京都区部の標準的な地盤では、震度6弱に相当する。PMLは、建物価格に対する百分率(パーセント)で表示され、数値が大きいほど被害額が大きくなることを示す。
例えば、「東京都区部に所在する100億円の建物のPMLが15%」とは、「震度6弱の地震によって被る当該建物の損害を修復する費用が、90%の確率で最大15億円(100億円×15%)以下に収まる(15億円を超える可能性は10%)」ことを意味している。
不動産証券化では、PMLが20%を超えると格付低下につながるため、耐震補強工事や地震保険付保の検討対象となる。
免震・制振といった最新の構造技術を採用した建物はPML値が小さくなり(免震構造の建物ではPMLが5%以下とされる)、PMLは構造技術の耐震効果を客観的に現すことができる指標の一つととらえることができる。




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日経BP社
「プロフェッショナル用語辞典 不動産ビジネス」
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