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フォワードコミットメント
【ふぉわーどこみっとめんと】


将来の取引をあらかじめ約定しておくこと。協議の余地を残した売主と買主の緩やかな合意から、売買契約を締結して手付金を払い込んでおく強い拘束まで含めて、広い意味で使われる言葉である。
不動産においては、建物建築中の不動産について、完成後(例えば1年後)の引き渡しを前提に売買契約を締結することなどが典型的な例である。不動産マーケットが過熱している時期には、物件の取得競争が激しくなるため、買い手は未完成の物件を青田買いしてでも投資資産を拡大しようとする。特に、リーマンショック以前のJ-REITでは、将来の外部成長(資産の拡大)の予定を投資家に開示してPRする手段としてフォワードコミットメントを積極的に活用する傾向がみられた。
しかしその後、一部J-REITでは、金融環境が悪くなったために約定の時期が来た際に資金調達ができず、契約が履行できない事象が発生した。止むを得ず契約をキャンセルして物件価格の1割~2割の違約金を支払うことになったJ-REITもあり、フォワードコミットメントはリスクを伴うものであると改めて認識されることとなった。




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日経BP社
「プロフェッショナル用語辞典 不動産ビジネス」
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