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不動産(の)利回り
【ふどうさんりまわり;ふどうさんのりまわり】


不動産からの収入または収益÷不動産の価格(%)で表すことができる利回りで、不動産の収益性を判断する指標になる。ただし、計算方法は統一されてはおらず、目的によって様々な計算方法が使い分けられるため、異なる者が計算した利回りは、数値が同じであっても意味が異なることがある。したがって、利回りを用いて不動産を比較する際には、計算方法を確認する必要がある。
例えば、分子に賃料などの収入を用いて運営管理コストを考慮せずに求めたものは、「グロス利回り」「表面利回り」または「粗利回り」と呼ばれている。物件による管理コストの違いが無視されているため、厳密な投資判断には不向きであるが、経費率(管理費などの収入に対する割合)のバラツキが小さいアパートや小規模マンション同士を比較する際には、計算が簡単であり実用性が高い。
分子に管理費などのコストを控除した後の収益を用いて計算したものは「ネット利回り」または「キャップレート」と呼ばれ、グロス利回りに比べると正確性が高い。しかし、この場合も、収益の計算に様々な方法があり、通常は、金利や会計上の減価償却費などを含めない、「NOI」「NCF」と呼ばれるものを収益として計算する。NCFはNOIから大規模修繕費用などの資本的支出を控除したものであり、通常NOI>NCFとなる。
分母については、不動産を取得する際の売買価格が多く用いられるが、投資期間中には鑑定評価額を用いて価格変動を反映させることもある。




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日経BP社
「プロフェッショナル用語辞典 不動産ビジネス」
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