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リアル・オプション
【りあるおぷしょん】


金融商品の派生的取引である「デリバティブ」の一つに、オプション(将来ある価格で売買する権利を取引するが、実際に取引するかは権利の購入者に選択権がある)という取引があるが、オプションの考え方は金融資産以外の不動産などの実物資産の取引にも応用することができる。それを区別して、リアル・オプションと呼んでいる。
不動産取引にてリアル・オプションを用いたと言われている代表的なものに、東京都港区白金1丁目のNBFプラチナタワーの取引がある。J-REITの一つである日本ビルファンド投資法人(NBF)は、2003年にNBFプラチナタワーを将来取得することを決めた。その時点での評価額は311億円。しかし、賃貸オフィス市場の先行きに不透明感があったことから、取得価格を276億円に減額し、その後の稼働率次第で価格の引き上げに応じるような契約をした。そして、2005年12月に、稼働が好調であったことから、設定した上限額に近い310億円で取得することを確定した。
このように、将来の不確実性が高い中で投資判断を行い、取引条件の合意点を見出す手法として、用いることができる。




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日経BP社
「プロフェッショナル用語辞典 不動産ビジネス」
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