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デレバレッジ
【でればれっじ】


レバレッジ比率の縮小。主に価格の下振れリスクが見込まれるような場合、価格下落に対する耐久性を増すために借入比率を引き下げる。借入比率の引き下げという点では、自己資金を増加させても借入「比率」自体は低下するが、大抵は資産の一部売却による借入れの縮小(返済)の形をとるため、市場での売り物増加、ひいては市況低迷を引き起こすと懸念されている。
例えば、当初自己資金100万円、借入資金1900万円として2000万円を全額投資した場合、投資資産が5%値下がりしただけで自己資金が全損となり、それ以上値下がりが進むと、資産をすべて処分しても借入金が返済できなくなる。ここで、このリスクを回避するためレバレッジの引き下げ(デレバレッジ)を行うことを考える。まず、資産の値下がり前に1500万円相当の資産を売却し、その代金で借入資金を1500万円返済する。こうして、残りのポジションを自己資金100万円と借入金400万円の合計500万円とすれば、投資対象の5%下落が発生しても、損失額は25万円、自己資金の25%の損失で食い止められる。この条件では自己資金が全損するものの借入金が毀損しない水準は投資対象の20%下落までとなる。このようにデレバレッジを行うと、下落リスクを軽減することができる。一方この場合、前述のように借入金の返済に際しては1500万円相当の物件処分が必要となるため、投資物件の市場に対しては下押し圧力となる。
例えば、市場参加者が価格の下振れリスクに敏感になり、デレバレッジを行い始めると、次々と借入返済のための売却が始まる。このため悲観論が広がりさらなる値下がりに備えるため、さらに「資産売却⇒借入返済」の流れでデレバレッジを進めると、ますます市況が悪化する、という悪循環が発生することがある。




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日経BP社
「プロフェッショナル用語辞典 不動産ビジネス」
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