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ロングテール・ビジネス
【ろんぐてーるびじねす】


ごく少数のニーズに広く応えることで成立するようなビジネス。度数分布の端(テール)が、厚さがわずかになりながらもずっと続いて(ロング)いることにちなんでいる。
従来は、大量の需要が存在する部分に対して、大量に供給するのが通常であった。これは度数分布でいえば中央付近の高い山に注目し、その部分をビジネスの対象とすることになる。
例えば書籍の販売を考えた場合、かつては書籍の入手手段としては街中の書店がすべてであり、普通の書店はスペースが限られていることから、どうしても大量に販売できる「売れ筋商品」を仕入れて販売する形となっていた。言い換えれば、売れる見込みがほとんどないような特殊な研究書などは店頭に並ぶことはまずなかった。
ところがインターネットをはじめとするコンピューター環境の充実により、広範囲にわたる、ニーズがごくわずかのプロダクトを商品とすることが可能となってきた。例えば、ウェブ上の書店であれば店舗は制約要因とはならず、せいぜい「大きな倉庫」があればよい。その上で(極端にいえば)世の中で販売中のすべてのマイナー書籍を一定数確保し、国中ないし世界から注文を受け付ければ、個々のマイナーな書籍は「ごく稀に」売れる程度であるが、これらマイナー書籍について膨大な種類を確保すれば、毎日「どれかが売れる」ことで相当程度の売り上げが実現でき、全体としてはそれなりに大きなビジネスとなる、ということになる。




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日経BP社
「プロフェッショナル用語辞典 不動産ビジネス」
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