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厭り・倦んざり
【うんざり】


unzari

【江戸時代】まったくあきれかえること、すっかりまいってしまうさま。[中国語]厭膩。to be disgusted with.

【語源解説】
倦(ウ)ム+為(ス)+果(ハ)ツが合体した語形。古語の倦(ウ)ムと、為(ス)(ナス)と合体して、ウミ+ス→ウンズとなる。たとえば『伊勢物語』に、〈あてなる女の尼になりて世中をおもひうんじて〉などである。このウンズが果(ハ)ツと合体して、さらに、ウンジ+ハツ→ウンザリとなり、すっかり〈倦む{うむ@倦む}〉さま。ウンザリを名詞として、これにスルを付して〈ウンザリスル〉とも用いる。これは江戸期にはいってからの新しい用語。

【用例文】
○小姑のできるには嫁はうんざりし(川柳)○うんざり鬢(びん)とかいふちうッぱら〔男っぽい〕の中ゥどしま(浮世風呂)○ウンザリmini{〈俗語〉inhibitglue} ウンザリスル。to be annoyed.(ヘボン)○鍛冶屋といふのにうんざりして(尾崎紅葉)○京都にいるのがつくづくうんざりした(安岡章太郎)
【補説】
『日本大辞書』に、〈東京デ云フ〉とあって、幕末から明治期にかけて、江戸語―東京語として用いた。〈げんなり、ぐったり、ぼんやり〉など、共通する語感がある。




東京書籍
「語源海」
JLogosID : 8537217