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ブラジル
【ぶらじる】


伯西尓・伯西児/buraziru

【江戸時代】伯剌西尓とも。南アメリカの東北部の共和国。公式にはthe Federative Republic of Brazil。首都、ブラジリアBrasilia。[中国語]巴西。Brazil.

【語源解説】
赤色染料をとる〈ブラジルスオウ〉という木(英語、Brazilwood)の群生するところからの命名。このスオウから赤色染料をとるという。すなわち、この木の語源はポルトガル語、brassa(赤熱したの意)による。古代フランス語、brasil(赤の染料。現代語、braise)と同根語という。

【用例文】
○伯西尓、南亜墨利加ノ東境ニ大国アリ名ヅケテ伯西尓(職方外紀)○ソイデ〔南〕アメリカ諸国、バラシリヤmini{パラシリヤともいふ}。漢に伯西児(ベッシイル)と訳す(中略)其俗、木に棲み穴に居て好みて人を食へり(新井白石)○伯西児 ブラシリイ(蛮語箋)○一千五百年代mini{文亀後年間} 那(な)瑪(ま)奴(ぬ)児(る)王の世に始て東印度及伯西児(ブラジル)に通航し国勢尤も富盛なり(青地林宗)○巴(ブラ)西(ジル) 巴西ハ南亜米利加ノ大国/立憲ノ帝国ニシテ其憲法ハ千八百二十四年mini{文政七年}ニ定ムル所ナリ(輿地誌略)○武(ぶ)良(ら)尻(じり)(福沢諭吉)○伯(ぶ)剌(ら)西(じ)尓(る)(斎藤緑雨)○ブラジル(森鴎外)
【補説】
アマゾン河Amazonは1541年スペイン人と戦ったアマゾン河流域にすむタプヤTapuya族の女たちが、勇猛果敢に戦ったところからスペイン人、オレルラナF.de Orellanaが命名。さらに本源はギリシャ伝説に登場のアマゾン族の勇猛な女武者にちなむ(古代コーカサス山、黒海の辺にすんだ種族という)。『蛮語箋』(1798)に、〈亜馬作搦 アマサン{○}女国ナリ〉とみえる。当時の日本人のアマゾン知識(勇猛な女族)が推定できる。




東京書籍
「語源海」
JLogosID : 8538038