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マルタイ
【まるたい】


マルチプルタイタンパー

~機械化が進む保線作業~

 軌道(線路)の道床を突き固める専用の大型保線機械。道床とは、路盤と枕木の間に敷き詰められた砕石や砂利(バラスト)のことをいう。2本のレールは、列車の走行によって次第に上下左右にわずかにゆがんでくる場合がある。これを修正し、道床を突き固めるのがタイタンピングという作業で、以前は削岩機のようなタイタンパーという道具などを用い、手作業で行っていた。
 このタイタンパーが複数備えられたのがマルチプルタイタンパーである。略してマルタイ。軌道のゆがみを計測したり、計測データに基づいて補正の計算を行う装置も搭載。手作業に比べ、作業効率は格段に向上。一般軌道用と、分岐器区間用のスイッチマルタイがある。
 保線作業は機械化・自動化・省力化が進んでいる。導入されている主な機械は、まず点検用の検測車。これには線路を調べる軌道検測車、超音波を発射してレールの傷を探すレール探傷車、架線やATS地上装置を検測する、電気や信号の検測車などがある。
 保守ではマルタイのほか、レール表面の磨耗や傷を削り取って滑らかにするレール削正車、バラストを交換するベルトコンベアのようなバラストクリーナー(略称バラクリ)など。各種の材料や機器、道具類を運搬するモーターカーも活躍する。

●レールは現場で曲げたりくっつけたり
 保線作業で大がかりなのはレール交換である。レールの具合は安全面だけでなく、乗り心地にも影響する。レールの寿命は通常10~25年といわれるが、列車の通過トン数や速度に左右され、大都市の区間では1年程度で取り替えることもある。
 レール交換は夜間に行われることが多く、「盆踊り」とか「祭り」などと呼ばれたりする。連ねた照明の下、大勢の人たちがマイクからの大声の指示を受けて作業している様子が、まるで踊っているか、お祭り騒ぎかのように見えるからである。
 しかし、実際には遊んでいるわけではなくて、現場は大忙しだ。たとえばレールを曲げる作業は、レールベンダー(通称ジンクロ)を使って、人力で行う。曲がったレールははじめからはなく、まっすぐなレールを現場まで運んで曲げるのである。熟練を要する作業である。
 また、レールの溶接を現場で行うこともある。標準的なレールは長さ25メートルで、200メートル以上継ぎ目のないものをロングレールというが、新幹線のレールでは、一本1500メートルからそれ以上のものもある。25メートルレールを8本くっつけてあらかじめ200メートルのロングレールをつくっておき、それを現場まで運んでつなげる。なお、世界一長いレールは、青函トンネル内で使われており、52・57キロメートルある。騒音対策として、最近では在来線でもロングレールにする区間が増えてきた。




日本実業出版社
「JR語の事典」
JLogosID : 5005025