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何度も復活する奇跡の日本経済


何度も復活する奇跡の日本経済

◎第一次大戦による好景気

 ペリーが来航した1853年には、日本は純然たる農業国だったが、わずか100年のうちに奇跡的に経済大国へとのし上がっていった。

 明治政府は積極的に産業育成を行なうとともに、1897年に金本位制度を確立、「円」の国際的信用を高めたので、軽工業分野で産業革命がおこり、日露戦争後、今度は重工業の分野で産業革命がおこった。

 その後、第一次世界大戦の影響で、ヨーロッパとアジア市場からの需要が殺到。この大戦景気で工業生産額は躍進、とくに鉄鋼、造船、繊維分野の伸びは著しかった。

◎恐慌後、為替政策で景気を浮揚させる

 しかし、1920年に戦後恐慌、27年に金融恐慌、30年に昭和恐慌と、日本経済は立て続けに恐慌に見舞われる。

 犬養毅内閣は、この不況を打開するため、1931年に管理通貨制度に移行。日本の為替・円相場の急落によって輸出が増加、状況は好転した。

 だが、この好景気も長くは続かない。軍国主義への道を選んだからだ。日本は満州事変、日中戦争、太平洋戦争へと突入し、終戦後、経済はみるかげもなく破綻した。

◎戦後上昇一方の日本経済

 戦後、日本経済はアメリカの強い主導によって再建される。傾斜生産方式、経済安定九原則、ドッジラインと、さまざまな政策が実行され、ようやく経済復興のきざしを見せた1950年、朝鮮戦争がはじまる。

 戦争は日本に軍需をもたらし、以後4年間、特需[とくじゅ]景気と呼ばれる好況が続き、さらに空前の輸出ブームにより、3年間の神武[じんむ]景気を経験する。

 それからも経済は上昇一方で、1970年代初頭まで高度経済成長を続け、ついには世界一、二の経済大国へと発展をとげたのである。




日本実業出版社
「早わかり日本史」
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