100辞書・辞典一括検索

JLogos

17

宮の前遺跡
【みやのまえいせき】


先土器時代~縄文時代の遺跡。縄文時代中期の集落址を主体とする。西八代(にしやつしろ)郡市川大門町黒沢の大木台地の宮の前に所在。富士川左岸の舌状台地先端部,標高約370mに位置する。遺跡の名称は小字名によるが,宮の前の地名は,現在も遺跡の前にある神社に由来する。神社の御神体は石棒である。県警察本部のヘリポート建設に伴う事前調査として,昭和57年,約2,000m(^2)が県埋蔵文化財センターにより調査された。当遺跡はこれまで表面採集あるいは耕作中の炉跡・土器・石器の発見により,遺跡としての確認はされていたが,詳細は不明であった。調査の結果,縄文時代中期の住居址13軒,土壙6基,単独埋甕2基が検出され,遺物は,先土器時代の石器,縄文時代の土器・石器・土製品・石製品などが出土した。調査範囲約2,000m(^2)のうち,遺構は南西部500m(^2)に集中,重複しており,さらに発掘調査範囲外にまで遺構が続くことは確実で,予想外に密度が濃く,規模の大きな遺跡であることが判明した。また,遺物も県内で比較的少ない縄文時代中期中葉末~後葉初期のまとまった資料であり,さらにその内容も,他地域に比べひけを取らないものであった。従来,西八代郡下,富士川流域での縄文時代中期の遺跡の調査は皆無に等しく,その内容も不明であったが,今回の調査により,地域的空白を埋めるだけでなく他地域との比較検討が可能となり,当地域における縄文時代中期の様相を明確にできるものと期待される。文献は「市川大門町宮の前遺跡」(山梨考古第7号,昭和57年),「市川大門町誌」(昭和42年)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7098539