風(かぜ)交(ま)じり 雨降る夜(よ)の 雨交(ま)じり 雪降る夜(よ)は すべもなく 寒くしあれば 堅塩(かた
【かぜまじり】

〔〔和歌〕〕〈万葉・五・八九二・長歌・山上憶良(やまのうへのおくら)〉[訳]「風にまじって雨の降る夜で、雨にまじって雪の降る夜は、どうしようもなく寒いので、堅塩(→かたしほ)をちびちびとかじり、糟湯酒をちびちびすすって、咳(せき)をして鼻をずるずるさせ、はっきりと生えていないひげをかきなでて、自分以外にはろくな人物はあるまいと、得意がってみても寒いので、麻衾(→あさぶすま)を引きかぶって、布の肩衣(→かたぎぬ[1])をあるものすべて、重ね着してもなお寒い夜なのに、私よりも貧しい人の、父母は腹をすかせ凍えているだろう、妻子たちは物を欲しがって泣いているだろう、こういうときはどのようにして世を暮らしているのか

![]() | 東京書籍 「全訳古語辞典」 JLogosID : 5075469 |


