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原料と製法


原料と製法

前述のようにラムはサトウキビが原料。ヨーロッパの蒸溜酒製法がベースということもあり、製造工程はそれらとほとんど変わらない。ただし、各島(当時は各植民地)では宗主国(英国、フランス、スペイン)の製造技術によって若干の違いがあり、それが現在の種類の違いとなっている。色合いと風味によってそれぞれ3種類に分けられるのが一般的で、色ではホワイト・ラム、ゴールド・ラム、ダーク・ラム、風味ではライト・ラム、ミディアム・ラム、ヘビー・ラムとなる。
まず色だが、ホワイトは無色透明、ゴールドはホワイト・ラムにカラメルなどで色づけしたもの。ダークは樽で熟成したものだが、さらにカラメルで色づけし褐色に仕上げたものも多い。風味では、連続式蒸溜器が使われるようになった19世紀後半から登場するライトは、軽い芳香が特徴。短期間樽熟成することでゴールド・ラムに、蒸溜後活性炭で濾過すればホワイト・ラムになる。ミディアムは、フランスの植民地で生産されたタイプで中間的な香り。ライト・ラムとヘビー・ラムをブレンドすることが多く、色は様々だ。ヘビーは文字どおり強い芳香が特徴。樽熟成の年数の長いものがダーク・ラムとなるが、さらにカラメルで着色するものもある。
ところでラムといえば、最近の人気映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ(初作は2003年)で、ジョニー・デップ演じる海賊船の船長はじめ船乗りたちが、何度となくラムをあおるシーンが登場する。前述の英国海軍が常備酒としたように、当時の船乗りには欠かせない酒だったようだ。この映画のおかげで、英国では一大ラムブームが起こり、3割も消費が増えたという。ちなみに日本では微増とか。




東京書籍
「洋酒手帳」
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