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藤相鉄道
【とうそうてつどう】


明治末期から大正・昭和にかけて藤枝市と南遠地方を結んだ軽便鉄道。延長26.7km。明治44年8月,資本金30万円で藤相鉄道設立。路線の敷設は幅1kmの大井川橋梁工事を除いて,大正2年11月大手(藤枝市)~藤枝新(昭和31年1月新藤枝と改称)間,同3年9月藤枝新~大井川(大井川町)間,同4年5月大幡(吉田町)~細江(榛原町)間,同年9月細江~川崎(榛原町)間,同7年6月川崎~相良(相良町)間がそれぞれ完成して開業。大井川越えは同13年4月まで既設の県道富士見橋を利用して徒歩連絡や手押しによる定員12名の人車輸送が行われたが,同年同橋に軌道を敷設し併用橋とした。専用鉄道橋の架設は昭和12年7月。以後大正14年1月大手~岡部(岡部町)間(昭和11年5月営業廃止),同15年4月相良~地頭方(相良町)間も接続延長された。昭和18年5月,陸上交通事業調整法に基づき静岡電気鉄道・中遠鉄道ほか9社と合併し,静岡鉄道が設立され,大手~地頭方間は藤相線と改称。昭和23年9月藤相線と中遠線が直結して静岡鉄道駿遠(すんえん)線となった。地域の交通機関として重要な役割を果たしたが,同39年9月大手~新藤枝間の廃止に続き,同45年までに全面廃止となった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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