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藤原県
【ふじわらのあがた】


旧国名:□美作,□備前

(古代)平安期に見える県名。美作・備前両国のうち。磐梨県ともいう。「日本後紀」延暦18年3月乙未条の和気清麻呂の薨伝によれば,神功皇后による新羅遠征の帰途,忍熊別皇子が反乱を起こしたとき,和気氏の祖弟彦王が派遣され,針間(播磨)と吉備の境山で皇子を誅した軍功により,「藤原県」に封じられた。藤原県はのちに分かれて美作・備前両国となったという。一方,弟彦王は針間・吉備の境に和気関を造り,明石からの軍勢を防いだ功により「吉備磐梨県」を与えられたとも伝える(新撰姓氏録右京皇別下和気朝臣)。県の範囲については,美作国勝田郡に和気郷があり,清麻呂が備前・美作両国の国造を兼帯したことから,備前国和気郡・磐梨郡および美作国勝田郡を含む広大な地域と考えられる。なお和気・磐梨郡の地域は,奈良初期には藤原郡と称した(続日本紀養老5年4月丙申・神亀3年11月己亥条)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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