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福光村(近代)


 明治8~22年の村名。邇摩郡のうち。明治8年福光本領・福光林村・福光下村の3か村が合併して成立。同9年島根県に所属。「皇国地誌」によると,田88町余・畑98町余・宅地14町余で,山林はあげられていない。戸数599・人口2,835,牛118頭,200石未満和船8・漁船72,人民共立小学校は,城福寺・円通庵,2軒の民家借用の4校で,男55人・女15人が通学。字山根垣内に郵便取扱所が置かれていた。職業は農276・商80・大工60・木挽32・左官26・石工30・桶工8・鍛冶7・漁60・舟乗4・医4で,商店をはじめとする分化が進んでいる。むかしからの石の産地で,「石材最も多し」の記述があり,石工も30戸を数える。大工と左官の多さは,いまも受け継がれている出稼の特徴ある職種の伝統とみることができる。八幡宮は郷社,天満宮と出嶋神社は村社。真宗瑞光寺は慶長13年に禅宗から改宗,曹洞宗城福寺は正徳2年に再建,真宗福正寺は慶長19年の創建,浄土宗十王堂は享保9年の創建,浄土宗浄光寺は元亀元年の創建,真言宗楞厳【りようごん】寺は延応元年に再建,真言宗竜泉寺は文化5年の再建である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7413697