宮沢[中部地方] 角川日本地名大辞典

甲府盆地西南部，釜無川の支流滝沢川などの氾濫原に位置する。櫛形台地などの「根方」や御勅使(みだい)川扇央で畑作地帯の「原方」に対し，当地周辺の釜無川などの氾濫原で水田地帯を「田方」と呼んでいる。また「国志」には「古印書ニ此辺リヲ北条ト云，南条ニ対スル名ナルベシ」と見える。地名の由来については「天白ノ社〈宮沢村〉……土人相伝ヘ言，往時古市場ノ若宮明神ヨリ絡繹シテ七十五座アリシヲ後ニ合併シテ此一社トナス，村名ノ起ル所ナリ」（国志）とあり，若宮明神の宮にかかわって生まれたというが，また一説には若宮神社の東を流れる東川（清水村では西川と呼ぶ）が深い特異な形状をもつ川で山中の沢を思わせ，往古沢に沿って石祠が並んでいたところから宮沢になったともいう（甲西町誌）。水害に悩まされたため明治中頃深向院の周辺にあった集落は北方の現在地に移動した。
【宮沢村(中世)】　戦国期に見える村名。
【宮沢村(近世)】　江戸期〜明治８年の村名。
【宮沢(近代)】　明治後期・大正期〜現在の大字名。