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上渡川[九州地方]
角川日本地名大辞典

小丸川の支流渡川の上流域に位置し,九州山地の峻険な山間に立地する。北部は600〜700mの山,南と西は1,000〜1,300mの山がそびえる。集落は,峻険な山間にわずかに散在する平地に立地し,11の集落からなる。地名は渡川の上流に立地することにちなみ,中流に中渡川,下流に下渡川がある。渡川の地名の由来については,伊東義祐の家来門川四右衛門(高岡城主)が野尻城で戦死した後,その弟某氏が伊東氏に従って「都於郡崩れ」に参加し,連れの2人とともに当地に逃れて居住し,門川の「か」を除いて「とかわ」と称し,のち転化して渡川となったという伝承がある。「日向記」4の祐清公被得御勝利事の段に,天文2年の伊東氏の内訌で,祐清の嗣立に反して蜂起した「山裏ノ一揆」の一勢として,渡河衆が見える。地内には藤原重義の居城という田出原城と城主重義の墓がある。また「都於郡崩れ」の伊東義祐が宿泊したと伝える跡があり,同地は殿様屋敷といわれ,「日向地誌」では遠智ケ谷,現在では落ケ谷と称する。同地には伊東氏の家来の板碑もある。また,地内には鬱蒼とした原始林があり,高さ100mもある滝が3段に落ちる音は雄大荘厳である。
上渡川村(近世)】 江戸期〜明治22年の村名。
上渡川(近代)】 明治22年〜現在の南郷村の大字名。