豊田[近畿地方] 角川日本地名大辞典

和泉山脈南麓の緩斜面に位置する。西部を紀ノ川支流の春日川が南流する。地名は古くから肥沃の地であることに由来するという（続風土記）。地内中央部にある福琳寺は，創建は８世紀といわれ，11世紀には七堂伽藍のととのった大寺院で，「元亨釈書」に記された沙門信行の創建になる慈氏寺は同寺とされているが，確証はない。なお寺の西部に福琳寺西遺跡があり，サヌカイト製有舌尖頭器のほか多くの中世遺物が発見されている。平安期から江戸期にかけての遺物として，福琳寺関係の瓦類・白磁・青磁・土師器を出土。
【豊田村(中世)】　鎌倉期〜南北朝期に見える村名。
【豊田村(近世)】　江戸期〜明治22年の村名。
【豊田(近代)】　明治22年〜現在の大字名。