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ASEAN


Association of South‐East Asian Nations

 1967年8月8日、バンコクで設立。インドネシアマレーシアフィリピンシンガポール、タイが当初メンバーで、84年にブルネイ、95年にベトナム、97年にミャンマーラオス、99年にカンボジアが加わり、東南アジア全域をカバーするようになった(ASEAN10)。第三世界でも例外的に成功した地域協力組織の1つ。当初掲げた目的は経済・社会分野での地域協力で、最高決定機関は外相会議(定期閣僚会議)。毎年7月前後に、主催国を替えて開催。75年以降はこれとは別に、経済担当閣僚会議が年に1、2回、開かれる。またASEANは72、73年から欧州連合(EU)及び豪州との域外対話を開始した。現在は、日本、中国、韓国とニュージーランドカナダ、米、ロシアインドパキスタンを加えた計11が「域外対話国 ・ 機関」と呼ばれ、外相会議の直後に招かれ拡大外相会議を開く。76年2月にはバリ島でASEAN首脳が初めて一堂に会し、ASEAN協和宣言が発表された。これにより政治協力がASEANの地域協力の正式な一分野となり、同時に締結された東南アジア友好協力条約(TAC)は、ASEANの実質的な根拠条約となった。ASEANの地域協力の活動面では、政治分野での協力が当初から注目された。ベトナム戦争が激化する過程で発足し、80年代はインドネシア情勢をめぐり政治的団結を誇示した。冷戦終結後は世界秩序の急速な変化に対処するべく、安全保障面で様々な模索を試みる。ASEAN10カ国は東アジア地域の協力体制の緊密化を目的に、97年に日中韓の3カ国首脳との初の非公式会合を持ち、その後ASEAN+3として外相らによる対話の場が定例化した。2003年のバリ首脳会議で2020年を目標とした「東アジア共同体」作りに合意。先行する経済に加え、安全保障と社会・文化の面でも統合を進める




朝日新聞社
「知恵蔵2009」
JLogosID : 14846373