標準治療(寺下医学事務所) 病名 婦人科 235 更年期障害【こうねんきしょうがい】 Climacteric Disturbances 母性はその機能を発揮するために複雑な身体構造と生理機能を有し、年代によって大きく変化します。更年期は女性の加齢に伴う生殖期から非生殖期への移行期であり、わが国では閉経の前後5年の計10年間程度とされています。卵巣機能が衰退しはじめ消失する時期にあたります。 閉経とは卵巣機能の消失によって起こる月経の永久的な閉止のことをいい、自然閉経と人為的閉経(医原的閉経)があります。自然閉経とは卵巣機能の自然消失に伴い起こった閉経のことで、更年期婦人において明らかな原因がなく月経を1年以上認めないときは閉経と考えます。人為的閉経とは手術などで両側卵巣を切除することによって起こる閉経のことで、子宮を摘出しても卵巣が残っている場合は含まれません。日本人の閉経の正常範囲は45歳から56歳頃で、平均閉経年齢は51歳です。 初経、妊娠・出産、閉経といった女性特有の体の働きを支配しているのが卵巣から分泌される女性ホルモン、とくに卵胞ホルモン(エストロゲン)です。エストロゲンは40歳頃より低下しはじめ、閉経後も数年間は分泌されていますが、更年期障害はこのエストロゲンの分泌が急激に減少することによって起こります。 日本医療企画「標準治療(寺下医学事務所)」JLogosID : 5035448