アシリベツの滝
【あしりべつのたき】

札幌市南区を流れる厚別川上流の滝野地区にある滝。高さ約30m。厚別川本流の雄滝と，野牛山に水源をもつ清水の沢の雌滝の２筋からなる。支笏(しこつ)降下軽石および軽石流堆積物で構成される野幌(のつぽろ)丘陵を開析して流れているが，弱溶結部は浸食され，残った柱状節理をもつ強溶結部が切り立ち，その落差によって形成された。下流には不老の滝・白帆の滝・鱒見の滝もある。周辺の開拓は，明治12年開拓使が同所に水車動力を利用した厚別山水車器械所をつくり，周辺の資源を使って製材を始めたのが最初で，その後農業開拓も進み，大正期には約80戸になったが交通が不便なことから発展しなかった。昭和28年米軍演習地に接収され，同29年の洞爺丸台風で周辺の国有林が全滅し，住民の生活基盤が失われ戸数は減少した。昭和53年，周辺の山林を含む400haを，北海道開発局が国営滝野すずらん丘陵公園として造成を始め，昭和46年に閉校した小学校を利用した滝野自然学園，キャンプ場などが完成した。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7000290