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アトサヌプリ
【あとさぬぷり】


跡佐登とも書き,硫黄山ともいう。釧路地方弟子屈(てしかが)町にある山。標高512m。阿寒国立公園の一部。山名はアイヌ語のアトサヌプリにより,裸山の意(弟子屈町史)。屈斜路(くつしやろ)カルデラの中央部に噴出したアトサヌプリ火山群の1つで活火山。これらの山体はいずれも石英安山岩からなる鐘状の溶岩円頂丘。アトサヌプリは,旧期円頂丘の中央部を破って噴出した,火山群中で最も新しい円頂丘で,お供えもち型の二重式構造をなす。頂上には「熊落とし火口」と呼ばれる爆裂火口がある。円頂丘の周辺には多数の硫気孔があり,硫黄鉱床が形成され,明治9年から昭和19年まで採掘された。北麓は緩傾斜の扇状地で,ハイマツ・エゾイソツツジの群落,シラカバ林に覆われる。北方約3kmには阿寒国立公園観光の根拠地川湯温泉がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7000359