100辞書・辞典一括検索

JLogos

23

アポイ岳
【あぽいだけ】


日高地方様似(さまに)町東部の海岸近くにある山。標高810.6m。日高山脈襟裳国定公園のうち。ピンネシリ(958.2m),通称マチネシリ(794m)とともにアポイ山塊の主峰をなす。アポイ山塊は日高造山帯の中でも特異な地質で,山容は第三紀の堆積岩からなる裾野に山塊が丸くそびえる雄大かつ秀麗な形で,古くは航海の目印にされた。東麓に幌満川が流れる。山名は,幕末の画家谷元旦の「蝦夷紀行」には「ヲホイノホリ」,松浦武四郎の「東蝦夷日誌」では「アホイ岳」「アハウイ岳」とある。一帯は約800種に及ぶ高山植物の宝庫で,ヒダカソウ・エゾコウゾリナ・アポイアヅマギク・アポイアザミ・アポイハハコ・アポイギキョウなどがあり,アポイ岳高山植物群落として昭和27年に国特別天然記念物に指定された。一帯は真夏でも海霧が多い冷涼な気候で,低高度にもかかわらず高山植物が繁茂する。山域は昭和25年襟裳道立自然公園に指定され,同56年には国定公園となり,高山植物群落は特別保護区となった。西麓には昭和33年に設定された約3haの「アポイ樹木園」がある。登山口の1つ冬島には町営キャンプ場がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7000406