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硫黄山
【いおうざん】


網走地方斜里町にある山。標高1,562.5m。知床国立公園のうち。千島火山帯の一部をなす知床半島に位置し,ウイヌプリ・知床岳・羅臼岳・ツニシベツ岳・遠音別(おんねべつ)岳・ラサウヌプリ・海別(うなべつ)岳などとともに脊梁山地をなす成層火山。北斜面をウプシノッタ川・カムイワッカ川などが流れてオホーツク海に注ぎ,南斜面をショージ川・ケンネベツ川・モセカルベツ川などが流れて根室海峡に注ぐ。硫黄山は半島唯一の活火山で,山頂や山腹に硫気孔があり噴煙を上げる。「北海道の地名」によると旧名をイワウ・ヌプリ(硫黄・山の意)という。周辺の地質は新第三紀層背斜軸の上に噴出した普通輝石・紫蘇輝石安山岩の集塊岩・溶岩の上に,更新世噴出の安山岩が載る。頂上には2つの爆裂火口があり,東側火口の側壁には小規模な硫黄鉱床があるが稼業価値はない。これに対し,北西部中腹の火口に生じた硫黄鉱床は昭和11年,10か月にわたり噴出したもので,カムイワッカ川に沿って流れ,海岸に一時硫黄砂浜を作った。宇登呂側のカムイワッカから登山道が通じる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7000455