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岩内川
【いわないがわ】


帯広市を流れる1級河川。流路延長24.7km,流域面積114.1km(^2)。日高山脈中央のエサオマントッタベツ岳から東に派生する支脈上の十勝幌尻岳(1,846m)に水源をもち,山脈東麓を流れ,十勝平野への出口で戸蔦別川に合流する。十勝川の3次支流で,上流は,本流の岩内一ツ沢,右岸の支流ウエダ川・南岩内川が,十勝幌尻岳とその南の岩内岳(1,498m)の東斜面を鋭く刻む。3川が合流する中流では,山地内にV字谷を形成,谷底にはわずかな上位の河岸段丘(右岸)と,谷底の下位の河岸段丘が発達するが,河川は下位段丘面を刻んで峡谷を造り,岩内仙峡と呼ばれる。安政5年松浦武四郎は,その年2度目の十勝探検で歴舟(れきふね)川上流から陸路札内川に入り,各所に滝があること,上流に温泉があることなどを記す(東蝦夷日誌)。流域は山麓内にあるため,開発は明治35年売買川に沿う西三線の道路開通以降になる。現在,段丘域は酪農を中心にビート・馬鈴薯などの畑作も営まれる。岩内仙峡は,帯広市街に近い自然観光資源で,昭和47年環境庁から国民休養地に指定され,レクリエーション・研修・自然探勝・運動などの施設がある。同名の河川に,後志(しりべし)地方の山地を流れ岩内町市街で日本海に注ぐものがある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7000755