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ウコタキヌプリ山
【うこたきぬぷりやま】


釧路地方白糠(しらぬか)町と十勝地方足寄(あしよろ)町・本別町の境界にある山。標高745m。白糠丘陵の北部に位置する。白亜紀末の砂岩・泥岩類・礫岩からなり,山頂部は2つの峰をもつ。山頂付近まで本別川・稲牛川・茶路川の水系支谷が入り,山体の西側が急峻。山名はアイヌ語により,「白糠町史」では「2つの山がくっついて立っている山」,「足寄町史」では「互いに付いた玉石」の意とし,頂上部の形態を示すと思われる。丘陵内では目立つ山で,「足寄町史」によると,足寄のアイヌは,猟をしたあと動物を天に送り返す儀式をこの山に対して行い,また足寄と白糠を結ぶ山越えの目印にしたという。そのルートは,山体の北東を刻む茶路川の支流ルウクシュチャロ川を詰めるもので,川名も「越える道の口」を意味する。松浦武四郎もこの道筋を「右コエカタチャロ。左本川,また小川多く,過てルチシホクと云峠を越て,足寄の川筋に越る。同所土人等浜え下る時は,此処を多く越ること也」(東蝦夷日誌)と記す。山域一帯は,現在もヒグマ・キタキツネ・エゾシマリスなどの野生動物がすむ森林である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7000818