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海別岳
【うなべつだけ】


宇奈別岳とも書く。網走地方斜里町と根室地方標津(しべつ)町・羅臼町の境界にある山。標高1,419m。知床岳・羅臼岳・硫黄山・遠音別岳などとともに知床半島脊梁山地をなす。海別岳は第四紀に入って活動した火山で,ほぼ完全な円錐形火山形態を残す。山体北部を糠真布川と海別川が開析してオホーツク海に,南部を咲無異川が刻んで根室海峡に注ぐ。標高1,080m以上の地質は安山岩の上部溶岩からなり,下部は玄武岩の中部溶岩と安山岩の下部溶岩からなる。東と北には崖錐の発達が著しく,東部の標高1,200m付近に噴火口がある。東部には溶結凝灰岩も見出される。北東部に硫黄を産する海別鉱山,北部には褐鉄鉱と鉄明礬石を産する海別鉄山があり,山麓には褐鉄鉱床が散在する。標高800~1,000mはダケカンバ帯で,それより高地は高山帯となりハイマツ林が広がる。頂上直下のガレ地を中心に高山植物群落が分布し,頂上付近ではハイマツ群落とのモザイクをなす。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7000907