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恵庭岳
【えにわだけ】


千歳市北西部,支笏(しこつ)湖の北西岸に位置する山。標高1,319.7m。急峻な円錐形火山で,山名の語源も「北海道の地名」によると,アイヌ語のエエンイワ,頭が尖っている山の意で,山頂には巨岩がそびえる。山体は数期にわたる溶岩流の流出により形成され,他の支笏湖岸の火山に比べ砕屑物の分布は少ない。頂上近くに東向きの爆裂火口があり,現在でも数か所の噴気孔が活動中。墳気口東方に延びた深い涸沢はポロピナイ沢となって湖岸に達する。樽前山・風不死(ふつぷし)岳とともに,支笏カルデラの外輪山を縦断して北北西に走る構造線上にある。南西斜面は昭和47年の札幌冬季オリンピック大会でスキー滑降競技場となり,森林の一部が伐採されたが,その後修復作業が行われた。西麓には溶岩流によりせき止められたオコタンペ湖,南麓には奥潭(おこたん)温泉・丸駒温泉がある。頂上直下の鎖場付近にはイワヒゲ・イワギキョウなど岩礫性の高山植物がみられる。頂上からは支笏湖と対岸の風不死岳,北に漁(いざり)岳・空沼岳,西に羊蹄(ようてい)山,東に日高連峰を遠望できる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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