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大浜
【おおはま】


大浜海岸ともいう。小樽市東部の銭函地区にある砂浜海岸。古くは後志(しりべし)国と石狩国の境とされ,イシカリ場所とオタルナイ場所を結ぶ主要路の一部。寛政9年の「松前地並東西蝦夷地明細記」には「ヲタスツ,此処よりイシカリ迄砂素浜」とあり,また文化3年の「遠山・村垣西蝦夷日記」にも「ヲタスツ,此辺,海の入澗にて海岸丑寅に向ひ砂浜を罷越……ヲタスツより凡一里東にてオタルナイ川端」と記され,銭函の東にあるヲタスツ(歌棄)からの道中が描写される。小樽内川の河口は,「西村権監事経営方針七ケ条」で「琴似川ヨリ銭函ヘ新川開削水運交通等ノコト」として,明治21年に掘削された,流長13km余の人工河川,新川の河口付近という。現在,小樽市と札幌市の境界には清(すみ)川が流れ,この一部が小樽内川と考えられる。清川河口右岸にはかつて小樽内の集落があった。この付近前面には高さ8m前後の石狩砂丘があり,大部分はカシワの純林に覆われる。砂丘背後には多数の浜堤列があり,堤間湿地は水田に利用されたが,現在は畑地に転換された。清川もこの堤間湿地を流れる。大浜の南の小樽市域内ではゴルフ場,札幌市域ではごみ処理場があり,住宅地造成が進む。浜堤列地帯は古くから「山口スイカ」の栽培で知られる。海岸の北東部には石狩湾新港が建設中。札樽(さつそん)地区の海水浴場としてにぎわう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7001281