100辞書・辞典一括検索

JLogos

13

奥蝦夷地
【おくえぞち】


近世の,蝦夷地内の地域称の1つ。口蝦夷地に対して用いた。一般に,東海岸では襟裳(えりも)岬(または浦河)以東,西海岸では神居岬(または雄冬岬)以北を指すが,厳密ではない。坂倉源次郎「北海随筆」によれば「キイタップ,ソウヤの……東西両所迄は松前より商船行て交易して是より奥へは船かよはず,地つづきて蝦夷人も住居せる村々有。此舟かよはざる所凡そ百五十里といふ。是を奥蝦夷ともいふ」とある。天明5年の佐藤玄六郎らの報告でも東地キイタップと西地ソウヤの間を奥蝦夷と称する。限定された地域呼称としての使用時期は定かでないが,文化5年の「蝦夷日記」ではホロイヅミを奥蝦夷・端蝦夷の境とする。蝦夷地を口・奥に分かつ所以は,この地を境に風土・言語・風俗が一変するからだというが未詳。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7001360