100辞書・辞典一括検索

JLogos

18

貝殻島
【かいがらじま】


貝殻礁ともいい,かつては空殻島と称した。根室半島の東端,納沙布(のさつぷ)岬の沖合い約3.7kmにある顕礁。歯舞(はぽまい)群島の一部で,南東から北西に延びる貝殻浅瀬と呼ばれる潜礁上にあり,標高2.5m。納沙布岬との間が珸瑶瑁(ごようまい)海峡の最狭部をなすため,潮流が早く暗礁が多いことから,古くから航行の危険な水域とされた。昭和20年8月にソ連の占領下になる前は花咲郡歯舞村に属した。昭和36年にこの島の周辺で一度に11隻もの昆布漁船が拿捕されたことから,安全操業を求めて同38年に大日本水産会とソ連国民経済会議との間でコンブ漁業に関する民間協定が締結され,協定水域内での操業が可能となった。この水域は若くて柔らかなサオマエコンブの生息地として知られ,350隻前後の漁船が出漁し,根室市のコンブ生産量の15%近くを占める。昭和59年にはコンブの生育が悪く,500t・5億円の水揚にとどまった。昭和36年には安全な昆布漁場を求めて,歯舞港の沖合に第2貝殻礁が築設された。貝殻浅瀬にはこの島のほか南東にオドケ島(高さ3.2m)・萌茂尻(もえもしり)島(高さ9.9m)などがある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7001762