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神路峡谷
【かみじきょうこく】


天塩川中流にある峡谷。上川地方音威子府(おといねつぷ)村筬島(おさしま)の天狗山(518m)を南岸,中川町神居(かむい)山(367m)を北岸とする。地名は神居山東側の大崖がカムイルエサニ(神様の坂の意)と呼ばれていたのを意訳したもの。松浦武四郎の「天塩日誌」では「カムイルウサン。高さ凡三百丈も有。其半腹より大岩崩落けるが,是は往昔ここえエナヲ(木幣)を供えず過しかば,岩面崩て下行く船を砕きしと。神威著しきとて,土人等惣てエナヲと烟草,米等を一つまみづつ供へて上る」と記す。天塩川は広い氾濫原を蛇行しながら流れるが,この峡谷部分のみは下部白亜紀の空知層群などの非常に硬い岩層からなる天塩山地の狭隘部を先行的に穿入蛇行している。この穿入蛇行は断層に沿った弱線を流路としたものと考えられ,この峡谷部右岸を宗谷本線,左岸を国道40号が走る。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7002073