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亀田山地
【かめださんち】


渡島(おしま)半島の南端東側にある亀田半島の骨格を構成する山地。北の駒ケ岳と中央部の横津岳を主峰とし,南東端に恵山火山があるが,山地の大部分は高度200~400mの小起伏山地からなり,比較的変化に乏しい地形をなす。山体は三畳紀からジュラ紀の岩石を基盤とし,新第三系中新世の火山岩類や火山噴出物からなり,その上に第四紀堆積物が載り,恵山火山噴出物や横津岳溶岩・駒ケ岳火山噴出物なども広く分布して,幾筋もの断層が走る。山地一帯には留ノ湯・鹿部温泉・大船上の湯・大船下の湯・川汲温泉・恵山温泉などがあり,ひなびた温泉として知られる。折戸川・磯谷川・大船川・川汲川・松倉川・汐泊川・古武井川などが流れるが,いずれも小河川のため平野・盆地の発達が悪く,小河岸段丘がみられるにすぎない。海に臨む山地は数段の海岸段丘が発達し,特に津軽海峡に面する函館市周辺に顕著である。山地一帯は北海道では温暖な地で,黒松内低地帯を北限とするブナやサワグルミが生育し,一部にはブナ優先の原生林がみられる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7002254