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狩場山地
【かりばさんち】


渡島(おしま)半島の北部にある山地。後志(しりべし)地方島牧村と檜山地方瀬棚町・北檜山町・今金町にまたがり,狩場茂津多道立自然公園に属する。狩場山(1,519.9m)を主峰にフモンナイ岳(1,337.3m)・東狩場山(1,318.8m)・オコツナイ岳(1,170.4m)・前山(1,260.2m)・カスベ岳(1,049.2m)・メップ岳(1,147.2m)などからなる火山群で,那須火山帯に属す。山体は新第三紀の火山岩類や火山噴出物からなり,第三紀末の比較的新しい時期に隆起し,壮年期の地形を示す。大部分は安山岩からなるが,メップ岳は緑色凝灰岩や花崗岩質岩・安山岩岩脈からなる。山体は小田西川・千走(ちわせ)川・須築川・真駒内川などにより深い峡谷が刻まれ,多くの急瀑が分布。山地が日本海へ突き出す茂津多(もつた)岬は,数十mの断崖をなし,長く蝦夷三大難所の1つであったが,昭和50年国道229号(追分ソーランライン)の開通で解消した。昭和47年には後志地方寿都(すつつ)町の弁慶岬から瀬棚町太櫓(ふとろ)に至る海岸を含む面積226.5km(^2)が道立自然公園に指定された。海岸沿いにはエゾイタヤやシナノキなどが多く,中腹にかけては北限に近いブナ林が現れ,沢沿いにはケヤマハンノキ・ミズナラ・エゾイタヤなどが混じる。標高900m付近でダケカンバからハイマツ帯に移り,キバナシャクナゲ・アオノツガザクラ・ガンコウラン・コケモモなどの高山植物群落も発達し,お花畑となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7002295