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菊面沢
【きくめんさわ】


菊面沢川ともいう。三笠市の,幾春別川上流の桂沢湖の最南岸に注ぐ1級河川。石狩川水系幾春別川の支流。流路延長4.2km,流域面積8.6km(^2)。昭和32年桂沢ダム建設による桂沢湖の誕生で下流域が水没した。河川名は,一帯から菊石(菊面石)と呼ばれるアンモナイト化石が出ることによる(北海道地名誌)。巨大なアンモナイト化石を産出する流域の地質が,明治後期に学会で世界的に大きな反響を呼んだ。大正10年発行の5万分の1図には,菊面沢の名がみえる。昭和51年,この沢で,村本喜久雄によってわが国初めての大型肉食爬虫類の化石(頭骨の一部,上・下顎骨と歯を含む)が発見され,河川は再び注目された。白亜紀後期(約8,000万年前)のもので,エゾミカサリュウと命名され,同52年国天然記念物に指定されて,三笠市立博物館に保存展示される。かつての幾春別川との合流点付近は昭和9年まで旧宮内省御料牧場で,その後開放され,戦後は主に樺太(からふと)(サハリン)からの引揚者が入植したが,ダム建設で水没した。富良野芦別道立自然公園(昭和30年指定)に属す。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7002419