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クマネシリ岳
【くまねしりだけ】


十勝地方足寄(あしよろ)町西北端にある山。標高1,585.9m。西のピリベツ岳・西クマネシリ岳とともに1つの山塊をなす。石狩山地脊梁の南近傍に位置し,南に南クマネシリ岳があり,これらはクマネシリ連峰と呼ばれる。新第三紀の火山地域で,先白亜系・日高層群の砂岩・泥岩類を基盤とし,中新世の凝灰角礫岩・溶結凝灰岩に鮮新世の安山岩の溶岩流が載る。峰々の頂部は溶岩円頂丘をなすのが特徴。また,クマネシリ岳の南東斜面には溶岩台地の名残の細長い平坦面がある。山名の由来は,「北海道地名誌」によると,クマネシリは乾棚状の山の意で,棚は魚を乾す乾竿の集まりのこととし,「北海道の地名」も同様の見解で,石狩川の支流当別川上流の隈根尻山も同語源という。また,「足寄町史」によると,シリ(山)は元来連峰・連山の意で現在のように西・南クマネシリが区分して呼ばれるのは誤りで,その北のピリベツ岳をも含む総称という。頂上に小さい円頂丘をのせるピリベツ岳と西クマネシリ岳は,西麓の三股から見ると女性の乳房に似ているので,通称「オッパイ山」とも呼ばれる。昭和46年国道273号の上川~三股間が開通し,三股からの登山者が増えた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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