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砂原岳
【さわらだけ】


渡島(おしま)地方砂原町にある山。標高1,114m。大沼国定公園のうち。駒ケ岳山頂北壁に位置し,西壁の剣ケ峰南壁の馬ノ背や隅田盛とともに駒ケ岳の山頂を形成する。これらの突起は単一円錐形火山体をなしていた頂部が,爆発・崩壊により分離したもの。砂原岳は東西約1kmの屏風状火口壁をなし,下位に溶岩流,上位に溶結凝灰岩および軽石層が露出して火口原に臨む。山体斜面は厚い降下軽石,軽石流および泥流などの堆積物によって覆われ,鍛冶屋川・イラ沢・馬抛沢・弥右衛門沢・梨木沢・テントウ沢・押出沢などの雨裂が放射状に開析する。砂原岳と剣ケ峰とを結ぶ鞍部の北西側には崩壊により深くえぐられた,馬蹄形の押出沢爆裂火口がある。東麓に東円山(481.1m),北西に西円山(540m)の小突起があり,東円山は砂原の円山,西円山は掛澗の円山とも呼ばれる。成因は泥流堆積丘あるいは軽石質砕屑物の噴出による寄生火山とも考えられている。昭和4年の駒ケ岳噴火の際には砂原岳を越えた軽石流が山麓に達した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7003504