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サワンチサップ
【さわんちさっぷ】


帽子山ともいう。釧路地方弟子屈(てしかが)町にある山。標高520m。阿寒国立公園内の屈斜路湖東岸に位置する。山名の語源は「北海道地名誌」によれば,手前(湖寄り)の岩山の意とされる。屈斜路カルデラ内に噴出したアトサヌプリ火山群の1つで,二重式溶岩円頂丘をなす。臼状に近い形の溶岩円頂丘を形成した後,北西斜面を破って溶岩が流出し,次いで頂部に平滑で円い円頂丘が噴出した。北西麓の屈斜路湖畔に仁伏(にぶし)温泉,北東麓に川湯温泉がある。松浦武四郎の「戊午日誌」には「セセキベツ(川湯温泉のこと)此辺のうしろにチシヤフノホリと云山有。其また山のうしろにサワンチシヤフ,また其前に,マツカンチシヤフ等三ツ並び,第一の上にアトサシリといへる高山有」とある。東麓からアトサヌプリにかけての裾野一帯は,ハイマツとエゾイソツツジの群落に代表される特異な植生景観を呈する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7003507