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地獄谷
【じごくだに】


登別市登別温泉の笠山にある爆裂火口跡。登別温泉市街地の北東500mに位置する。クッタラ火山の頂部が陥没した後,その西麓に日和山円頂丘とともに笠山が寄生火山として噴出し,火口のない円頂丘の地下では次第にガスがたまって大爆発を起こして形成されたものという。東西長径450mの複雑な形を示し,内壁の岩石は硫気に侵されて黄白色に分解し,崩れ落ちて絶壁を形成する。東方が高く,西方に開口するため,東方から流れ込む沢水は火口底部を蛇行して西進するうちに多数の硫気孔によって60~80℃に熱せられ,ガスの圧力で激しく噴騰し温泉だまりの地獄を形成。大砲地獄・奥地獄・虎地獄・竜巻地獄などがある。地獄谷内の硫気孔や温泉活動には変化があり,かつては北東隅に間欠泉もあった。湯量と質は豊富で,登別温泉湯量の大半を供給している。地獄谷には探勝道路が整備され,高浜虚子の「さえずりや,たえず二三羽こぼれ飛び」の句碑がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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