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斜里岳
【しゃりだけ】


舎利岳とも書く。網走地方斜里町と清里町の境界にある山。標高1,545m。山体は根室地方標津(しべつ)町にも広がる。斜里岳道立自然公園のうち。千島火山帯に属する。北と西斜面は斜里川の支流,東と南斜面は斜里川の支流および忠類川支流が開析し,斜里川はオホーツク海,忠類川は根室海峡に注ぐ。典型的な截頭円錐形火山で,山体は多数の放射状谷に刻まれる。山頂北側には北に開いた噴火口があり,山頂の南東部・南部にも噴火口がある。山体は更新世の紫蘇輝石・普通輝石安山岩からなる。基底火山噴出物の上に,本火山噴出物(普通輝石・紫蘇輝石安山岩,安山岩質集塊岩)が載る。山頂南部のエトンビ川の源流部にあたる古い爆裂火口には褐鉄鉱の沈殿鉱床がある。登山道は清里・斜里・標津の3コース。山麓にはエゾマツ・トドマツ・シナノキ・エゾイタヤなどの針広混交林が分布し,ダケカンバ林を経てハイマツの茂る稜線部に達する。ハイマツの間にはお花畑も点在し,高山植物は70余種に達し,エゾリス・エゾライチョウ・エゾシカも生息する。標高700m以上は昭和55年,道立自然公園となった。アイヌ語の山名はオンネヌプリで大山の意(北海道蝦夷語地名解)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7003902