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春別川
【しゅんべつがわ】


根室地方別海町を流れる2級河川。流路延長43.5km,流域面積141.8km(^2)。「北海道蝦夷語地名解」では「シュム・ペツ,溺死川,エシュムペツの略言なりと云う」とある。松浦武四郎の「東蝦夷日誌」では,シュンベツは「名義,油川と云儀也。昔し鯨を取,油を絞りしが故に此名有と」とみえ,「別海町百年史」は,古文書中にある「此川上谷地水に而油の多く赤く光るを名付よし」が妥当とする。根釧台地北西部,春別原野の標高100m前後の台地上に源を発し,東流して根室海峡に注ぐ。第四紀更新世の地層を新期火山灰層が厚く覆うこの地域は,火山体の伏流水が各所に湧出し,いずれの河川も豊富な水量を有して台地面を下方浸食している。緩勾配の河川は谷底を蛇行し,下流部には湿地を形成している。河口は冬季間オオハクチョウの越冬地としても有名で,多くの観光客を集める。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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